《 単行本(ソフトカバー) 》 『 黒部の太陽 』
木本 正次
価格:¥
840 信濃毎日新聞社(1998/06) 通常2~3日以内に発送
【黒部ファン必読】★★★★★ 黒部第4ダム建設のドキュメンタリー小説。 黒部ダム開削もすごいが、作郎谷のくだりも圧巻! 黒部開発の歴史を知る一冊。 ぜひとも吉村昭『高熱随道』と併せて読みたい。 ただ、「小説」という性格上、発表されていない事実もある、 ということも付言しておこう。
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《 文庫 》 『 赤い人 』
吉村 昭
価格:¥ 520
(used:¥1) 講談社(1984/01) 通常3日間以内に発送
【北海道を学びたい】★★★★★ 毎年北海道を旅する私にとって、北海道の道路は欠かせない。 しかし、この道路建築は暗い歴史が土台となっていた。 本書は北海道への入植、囚人収容施設、炭山開発、アイヌとの関わり等、北海道の歴史をなぞることができる懇親の一作だ。
旅の見方が変わるかもしれないと同時に、北海道という大地の歴史を、もう少し深く学びたいと思わせてくれた一冊だった。
【かつては囚人の人権など無かった日本】★★★★ わが国では、今でこそ刑が軽すぎることが問題視されているが、かつてはこれほどまでに厳罰主義だったのかと驚嘆させられる。 いや、刑罰以前の問題で、囚人の人権など微塵も無かった訳だ。 筆致があくまで客観的であるため、余計に痛々しさが強く伝わってくる。 吉村昭さんでなければ書けなかったと思います。
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《 文庫 》 『 深海の使者 』
吉村 昭
価格:¥ 540
(used:¥240) 文芸春秋(1976/01) 通常2~3日以内に発送
【第二次大戦下の日独連絡手段に潜水艦があった!】★★★★★ 多くの貴重な人命が失われてしまった前大戦。その中で両国関係者の必死の努力により、潜水艦による日独の人員・情報交流が行われた事は余り知られていない。その戦訓・教訓はもっと知られるべきである。平和と言われている今だからこそ、この様なすぐれたノンフィクション小説が読まれても良い。軍事知識なくとも、息詰まる様な情景が、本編から想像される。文末に、敗戦時に残存した日本の潜水艦のその後の運命が記されている。戦中の潜水艦は全て処分され日本国内には現存しない事が、敗戦国日本のひとつの象徴的な事象と理解できる。
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《 文庫 》 『 関東大震災 』
吉村 昭
価格:¥ 470
(used:¥100) 文芸春秋(1977/01) 通常2~3日以内に発送
【平成関東大震災に備えて読むべし】★★★★★ タイトル通り、1923年に起こった震災の模様をを克明に追ったノンフィクション。大烈震、火災の描写もさることながら、パニック後の異常心理から発生した朝鮮人虐殺……。被災後の混乱の模様も実に凄まじい。
そろそろ80周年を迎える当節、東海地震の来襲がささやかれているのはご存知の通り。地震による災害には多少なりとも備えがあるだろうが、流言蜚語による人災は果たしてどうか? W杯のフーリガンパニックを考えたら、ちょっと心配にもなるのだが。
理学博士寺田寅彦は語ったという。「過去の人間が軽視したことが災害を大きくした原因であった」と。いずれは確実に襲い来る激震。物資の備えよりも何よりも、まずこちらの一読をおすすめしたい。
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《 文庫 》 『 大本営が震えた日 』
吉村 昭
価格:¥ 620
(used:¥1) 新潮社(1981/11) 通常3日間以内に発送
【開戦の極秘情報】★★★★★ 日本が戦争に負けた歴史をそろそろ勉強する時期である。 戦争を肯定するのではなく、史実としてである。 そう思う中、吉村ドキュメントは掘り下げ取材をかさね 史実を打ち立てている。先の戦争がどういうスタートがあったかをしる 重要な歴史の本である。 あわせて、陸奥撃沈、ゼロ式戦闘機、戦艦大和も読み応えアル。
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《 文庫 》 『 零式戦闘機 』
吉村 昭
価格:¥ 500
(used:¥98) 新潮社(1978/03) 通常3日間以内に発送
【これから技術者を目指そうとする人には必見の一冊である】★★★★★ 当時最新鋭機の零戦を工場から各務原飛行場まで牛車(後に馬も併用)に乗せて24時間かけて運んだということは、一番の驚きであったが、読み進むうちに道路事情の悪さ・振動の少なさなどを総合的に判断してあらゆる試行錯誤の結果だったことが良く解った。
海軍(発注者側)と民間(設計者)との間で繰り広げられる仕様と性能との息詰まるような戦いのドラマが本書には綿密に描かれている。技術者の端くれである私などにとっても、身につまされる思いでページをめくることとなった。これから技術者を目指そうとする人には必見の一冊である。
中国重慶での鮮烈なデビューから太平洋戦争終結までの長きに渡って文字通り日本を代表する戦闘機として第一線で活躍したのだから、零戦の優秀さには驚きの一言である。ただ、相手との工業力・資源力の違いはいかんともし難く、「零戦」と「軍事国日本」の生い立ちが妙にオーバーラップし、零戦の運命は軍事国日本の運命を正確に投影しているようで、読後妙に虚脱感に襲われてしまった。
余談ではあるが、今回私はこの本を読むにあたって、事前に「1/48
零式艦上戦闘機52型」のプラモデルを作っていた。それもスケルトンであり、中の骨組みから操縦席・エンジン部分まで精密に再現されているものである。おかげで、文章中の専門的な部品の配置なども頭に直感的に浮かびたいへん理解し易く読み進むことができた。
また、本書を読んだ後引き続いて「空母零戦隊 岩井勉著」も読むことを強くお勧めしたい。
【新しく考え直した事】★★★★★ 最初読み始めた時には蘊蓄かと思いましたが、すぐに違うと気付きました。機械等の描写が妙に細かいんです。零式戦闘機の成り立ちから衰退を軸に様々な艦船を事細かに書いていて、当時の戦争状況も踏まえて、日本の各人がどう思って戦争に望んでいたか。とてもすんなりと読め、わくわくして読むことができました。戦争に対する認識が改まった一冊です。
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《 文庫 》 『 漂流 』
吉村 昭
価格:¥ 620
(used:¥40) 新潮社(1980/11) 通常24時間以内に発送
【漂着後の、まっとうで異常な暮らし。】★★★★★ 東京湾から沖に流されたとき、房総半島にひっかかれば命が助かるが、岬を越えてしまうと、遮蔽物がない。私はレジャーで海に出るのであり、生活をかけているプロとは真剣さが違うと思うが、海に出る者にとって漂流記は「もし沖に流されたときにどうすれば助かるのか」のヒントを探るための実用書である。
しかし、この本には私が目的とした「どうやって漂流すれば命が助かるか」に関する情報はない。 弱い者は食料にするために殺され、気力を失った者は死に、また自殺する。島での長い年月を生き延びた者でさえ、かつての人肉食のせいか故郷に辿り付く直前に狂死する。まともに生活しようとし、生活している主人公が、もっとも常軌を逸して見える。
吉村氏の著書のあとがきには、戦争が氏に与えた影響について言及したものが多いが、戦争中のジャングル生活とは、鳥島のようなだったのだろうか。
【歴史”ドキュメンタリー”小説】★★★★★ まるで著者本人が本当に無人島で漂流生活を経験してきたかのような、リアルな描写の数々にうなり声をあげますよ。きっと。
【アホウドリの偉大さがわかる】★★★★★ 漂着した島は水も草木もない焼島(火山島)で、ただアホウドリの大群だけが待っていた。時は江戸時代、土佐藩船乗り長平は、仲間4人とともに難波船から命からがらこの島にたどり着いた。脅威の精神力と、鳥を撲殺して食べまくることで生き長らえた長平。仲間が死んでいく残酷な運命を受け入れる長平だったが、数年後に漂着してきた船乗り達とともに、知恵と労苦の限りを尽くして12年に及ぶ焼島暮らしから脱出する。実録を元にしているので、ただ恐ろしいばかりの現実に、地獄の結末や如何にと一気に読み進んでしまう。・・つい最近(2002.8)、この島(鳥島)が爆発し、アホウドリが全滅の危機に瀕していることが報道されたが、あの世の長平が聞いたらどんな気持ちになるだろうか? 火種がないため、引きちぎられた鳥達は海水で洗われ生食されたり、後に長平が火を手にした時には、あまりのうまさに「熱さはありがたい」と心の中で叫ばせてしまう。 渡りをするアホウドリたちが島から去っていく恐怖。必死で鳥を殺し干し肉を作る長平たち、しかし干し肉も焼けばもちろん美味である。「人は食べなければ死ぬ」というテーマが胃袋を刺激し、思わずスーパーに鳥肉を買いに行ってしまった。アホウドリと鳥島に未来あれ!
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《 文庫 》 『 闇を裂く道 』
吉村 昭
価格:¥ 580
(used:¥65) 文芸春秋(1990/07) 通常2~3日以内に発送
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《 文庫 》 『 陸奥爆沈 』
吉村 昭
価格:¥ 460
(used:¥72) 新潮社(1979/11) 通常3日間以内に発送
【「陸奥」は「長門」と並ぶ日本海軍を代表とする戦艦】★★★★ 昭和18年6月、戦艦「陸奥」は濃霧の中、爆沈した。死者1121名。当初米国潜水艦による魚雷発射・スパイによる謀略説などが噂されたが、潜水作業・目撃証言などから三番砲塔付近から爆発が起きたことがわかってきた・・・。
当時日本海軍の艦船爆沈は、かなり前例があって、その原因がなんと人為的によるものがほとんどだという事実にまず驚かされる。
「大和」「武蔵」を別にすれば、「陸奥」は「長門」と並ぶ日本海軍を代表とする戦艦だったのだから、爆沈の原因がもし人為的なものだという疑いがもたれただけでも、当時の軍部としての驚愕ぶりは、たいへんなものだっただろう。
単なるノンフィクションではなく、事実を調査していく課程が綿密に書かれていて、読み応え充分な作品となっている。
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《 文庫 》 『 総員起シ 』
吉村 昭
価格:¥ 500
(used:¥100) 文藝春秋(1980/01) 通常2~3日以内に発送
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